今回も手相シリーズです。
1、手相は小宇宙を表わすー2
一方、東洋の手相学は東方文化を築いた中国の「黄河流域」から発生しています。
日月を陰陽とした東洋的な思想は、殿(いん)の時代から春秋戦国時代にかけて、自然界の現象を加えた「易」「気宇」「相学」などが研究され今日に続いています。
「つれづれなるままに……」で有名な兼好法師の『徒然草』に次の一節があります。
「達人の人を見るまなこは、少しもあやまる所あるべからず。
‥…・まして、明らかならん人の、まどへる我らを見んこと、たなごころ(手掌)の上の物を貝んがごとし」(第194段)『徒然草』は、南北朝動乱の頃、今から六百八十年以上も昔の作品です。聖徳太子が隋(ずい)の国にはじ
めて使節を送ってから約三百年にわたって使節を送り、遣隋便や遣唐使が古代中国の文化の一つである易教や、人相手l相などの相学に関する知識を持ち帰ってから干数百年の年月を経ています。やがて、蓑忠徹(えんちゅうてつ)という人が書き遺した『神相全編』という書物が日本にも入って、これが東洋手相学の故郷とされています。