占いの歴史ー12

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占いの歴史ー12

陰陽師占いは安倍晴明が極めた陰陽道の奥義です。
現代でも、その清明の用いた式占(ちょくせん)は形を変えて連綿として伝わっています。
安倍晴明は、式神(しきがみ)使いと謂われますが、それだけではなく、私たちが用いる占いの基本を駆使していたことが分かっています。
その基本は、十干十二支(じっかんじゅうにし)、納音(なっちん)など、占方としては、式占(ちょくせん)、六曜(りくよう)、奇門遁甲(きもんとんこう)などを用いていたと考えられています。
この中で安倍晴明を最も有名にしたのが12人(または12匹)の式神(鬼神)を使役した式占です。現存する『泣不動縁起(なきふどうえんぎ)絵巻』の一部分には、式神たちは
十二右端に描かれている式神は、識の神(しきのかみ)、式鬼(しき)、式鬼神(+しきじん)、荒ぶる神、十二将などの名称で呼ばれ、「式」とは「用いる、使役するの意味であることから、神霊(不思議な現象)を成すために、必要に応じて十二体の妖怪変化を駆使して事件を解決した占いが安倍晴明の式占であると伝えられてています。
テレビドラマでは、紙で+出来た人形に清明が「フッ」と息をふきかけると、たちまち従僕が姿を現して庭先にかしずき「ハイ、ご主人さま・・・」、と、まるで「アラジンと魔法のランプ」と同じで、まるで説得力がありません。
いくら平安時代には摩訶不思議な現象がまかり通るといっても、手の平サイズの紙片が一瞬で人間に化けるなどは、マジックショー以外には考えられません。あるいは、安倍晴明はマジックショーの先駆けで、先代の引田天功が安倍晴明の跡を継いだ、と考えることも出来ます。しかし、平安時代にそのような奇術があったとは思えませんので、次回はこれを理詰めの解釈で説明してみます。