占いの歴史ー11
安倍晴明はどのような占術を用いたのか? それを分析してみたいと思います。
まず、古い書物に載っている記述では、どの書物でも「安倍晴明は式神を使役していた」とされています。この式神(しきがみ。しきじん)なるものの実態を確かめるべくが掴めればいいのですが、式神(識神とも)とは、陰陽師が使役する鬼神のことで、人心から起こる悪行や善行を見定める役を務めるものとされています。
では、その鬼神とは、どのようなものかというと、「妖怪変化の中の荒ぶる神」という説が尤もらしく伝わっています。
現存する安倍晴明関係文書に『不動利益縁起絵巻』(部分)というものが三井寺にあります。それによると、、祭壇を構えて2匹の式神を従えた安倍晴明が、姿を現した物の怪どもと対決しながら祈祷を続けている姿があります。これで見ると安倍晴明は祈祷師でもあったことが分かります。
では、安倍晴明は祈祷師だったのかというと、きちんとした占いも沢山残されていますので、安倍晴明は天文学にも通じた優れた科学者であり、優秀な占術家であることも間違いないようです。