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シャガに雨 七宝に目を癒されて

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

 シャガに雨 七宝に目を癒されて
   (2017/04/08)
 目黒の東京都庭園美術館に並河靖之・七宝展を見に行く。改築後初めてで、新しいギャラリーが別棟に。藤の花や蝶が描かれた作品
は、気が遠くなるほど細かい線使いだが、見ていて気持ちが締麗になるような。目黒川の花見に向かう途中にシヤガの白。甘茶の日。

 蕗の臺 墓前に祈る 子や孫か
   (2017/04/03)
 一日に徳島へ帰って山川町の両親の墓参り。墓の前に蕗の塞が沢山生えていて、墓に手を合わせている親族のような感覚。桜は東京よ
り開花が遅く桜並木の母校も一分か二分咲き。

 忌部の地 歴史語って 濁り酒
   (2017/04/03)
 忌部(いんべ) は大和朝廷成立に力を尽くした阿波の氏族集団。麻や粟など農業技術を関東に広めた。伝統を守る三木家を昨日、剣
山の近くに訪ね、当主三木信夫さん (八一)と囲炉裏を囲み濁り酒。

 夜桜に 上弦の月 屋形船
   (2017/04/05)
 昨夜は隅田川沿いの佃・さくら亭で、新聞社後輩と花見酒。ようやく満開近く、大川沿いに花見客。帰りにカフェバー 「星時計」 に立ち寄り、さとみさん手作りの佃煮やカブ漬け。日本酒は「幻」「白竜」「東力士」など。

 ゆすらうめ 桜に負けずベランダに
   (2017/04/06)
 山桜桃梅の花がベランダで満開に。楚々とした白い花。昨夜は門前仲町・大横川の桜を楽しんだ。新聞社時代の 「三人娘」 と。川面に伸びる花がボンポリの灯りに照らされて。また来年もこの花を。絶滅から救われ、英国から里帰りした「太白」の話題が新聞に。

ぼんぼりに お不動様も名前出し

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

 ぼんぼりに お不動様も名前出し
  (2016/03/29)
 門前仲町・大横川はお江戸深川さくらまつり。川沿いにぼんぼりが飾られ、深川不動尊の名前も。和船や新内流しの江戸情緒。土曜
日は我々も桜を見下ろす店で。

 桜餅 すでに売り切れダヴィンチ展
  (2016/03/27)
 江戸東京博物館。「糸巻きの聖母」やダ・ヴインチが飛行機を考案するため研究した手稿などを展示。「聖母」を間近に見るには四五分待ちなので、遠目の鑑賞で我慢。フランスの古城では彼のお墓にお参りした。

『魚沼へ』 雪解け告げて五〇号
  (2016/03/30)
 『魚沼へ』は銘酒八海山を造る南魚沼市の八海醸造株式会社がほぼ季刊で発行している雑誌。記念号は「いま残しておきたい魚沼の
自然」 のカラー写真など。八海醸造には一〇年ほど前の見学以来、毎号送られてくる。

 段葛 笛の音聴かむ花の道
  (2016/03/31)
 鎌倉の段葛が改修され渡り初め、と。小町の和果子屋「美鈴」の先代は笛を嗜み、生前、鶴岡八幡宮に演奏を奉納していた。新たに植えられた桜は、やはりソメイヨシノらしいが、古都鎌倉には、もっとふさわしい桜がある。

 パソコンを 開けば桜わが母校
  (2016/03/31)
 母校川島高校は桜並木が名物。高校から「八分咲き」と写真が送られてきたので、パソコンに取り込んだ。桜の老齢化が進み、創立九
〇周年事業では寄付金で若返り対策を施した。

運河沿い オオシマザクラ楚々として

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

運河沿い オオシマザクラ楚々として
(2016/03/24)
川崎の工場周辺の一斉清掃の日。工場団地を取り巻く運河沿いに、白いオオシマザクラが、二分か三分咲き。地味だが気品があり、寒さの中、気持ちが引き締まる。

タンカンを 食べ終えた頃 チャイム鳴る
(2016/03/22)
川崎の工場では、始業時や昼食時間の終わりを知らせるチャイムが鳴る。今日の昼食のデザートは鹿児島産のタンカン、あまりなじみがないが、酸つぱくもなく極端に甘くもなく美味。工場団地なので周辺には喫茶店などもなく、社員達は仕事に専念。

冬コート また取りだして花の下
(2016/03/24)
東京はソメイヨシノの開花が宣言されたのに、二月ごろの寒さとか。冬のコートを着込んで出勤。亡くなつた岩見隆夫さんを中心に四谷の土手で続けてきた岩見桜の会は、名前を変えて二六日だそうだが。

紫の 五島のすみれベラ/ダに
(2016/03/25)
五島列島から来た玉之浦椿の根元に生えていた高尾スミレ。椿は、同人誌「人生八撃の執筆者の一人、津村裕子さんが、生まれ故郷の知人を通じて送ってくれた。

群れ成して 袴振袖桜道
(2016/03/26)
千鳥ケ淵の桜並木に向かう靖国通りの坂道を、女子大生たちが降りてくる。武道館で開かれた明治大学の卒業式帰り。神保町・岩波ホールで、四〇牢近く前のイタリア映画「木靴の樹」を見て、桜見物。

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 ホワイトデー 名残の寒さ溶かすもの

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

 ホワイトデー 名残の寒さ溶かすもの
  (2016/03/14)
冬に逆戻りした寒さの中で、さまざまなホワイトデーのドラマ。チョコレート商戦への反発もあるが、こうした機会を生かして家族やカップルが濃密な時間を過ごせたかもしれない。人間と人間、生きる知恵を。

 

 小樽から 桜絵葉書 筆の文字
  (2016/03/15)
「人生八聲」の同人、小樽の福岡洋子さんの葉書。エッセイに「北の国から・春の便り」とつけたタイトルを気に入ってくれたようだ。
お母さんの面倒をみながら、海が見える小さな喫茶店を経営。今後も投稿します、と。

  タラの芽は いまだタラの芽ならずして
  (2016/03/61)
 昨夜、ある居酒屋さんでタラの芽のてんぷらを頼んだ。まだ弱々しく、独特の野性味が感じられず、軽い失望感。やはり初夏近くになつて味わうべき味覚。徳島の酢橘が市場に出たが、これも九月の露地物を待ちたい。

 靖国の 開花の取材 その昔
  (2016/03/21)
 三〇歳代の社会部記者だった頃、桜の取材で靖国神社に。三本の標準木を調べる気象庁職員に確認し、夕刊締め切りぎりぎりに原稿を送り、ソメイヨシノの開花という平和なニュースが夕刊の特ダネに。

太白の 命をつなぐ桜守

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

 靴磨き 真冬の寒さ 感じずに 
  (2016/03/04)
 有楽町・交通会館に「千葉スペシャル」と看板を掲げた靴磨きの男性四人。昨夕、初めて磨いてもらつた。四人ほど先客がいて、少し待ったが、春の陽気に寒さは感じない。ハンチング姿に蝶ネクタイ。リーダーが千葉さんで、約一五分、千円

 書評欄 津波の春を考える
  (2016/03/06)
 杉並区に住む丸浜江里子さんの著書 「ほうしゃの雨はもういらない」 の書評が毎日新聞に。元原水協代表理事、吉田嘉消さんの米寿のお祝いで知り合い、著書を贈られたので短い書評を書いた。広島、長崎、ビキニに続く福島の核被害。自らもがんだと。

 蕗味噌は ニ本松から来たという
  (2016/03/10)
 二じ日
 門前仲町の居酒屋「笑福」の女将・草野笑子さんが、福島県二本松市に住む知人から届いた蕗の董で、蕗味噌を作つてくれた。自然の恵みの贈り物は、東日本大震災以来途絶えていて、五年ぶり。東北ではバツケと呼ばれ春を告げる植物。明日3・11。
 
 太白の 命をつなぐ桜守
  (2016/03/14)
『チェリー・イングラム 日本の桜を救ったイギリス人』読了。著者阿部菜穂子さんは元毎日新聞記者で、英国在住。太白は大ぶりの白い花をつけ、日本では絶滅したといわれたが、英国で育てられていた。日英一〇〇年余の歴史がつむがれて、秀作。

 金柑の 残った種を蒔いてみる 
  (2016/03/13)
  食後に鹿児島産の金柑。子供の頃、隣家の金柑の枝が我が家に張り出し、時々、頂戴した。自宅の夏蜜柑を一日一個か二個、食べていた少年の頃。保険切替の血液検査で、肝臓などの数値は全て正常。
  (2016/03/06)

花を買う 啄木想う 雛の日に

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

 ビアフには 薔薇が似合うと歌を聴く
  (2016/02/27)
 大竹しのぶさん主演のシャンソン劇「ピアフ」。日比谷・シアタークリエで三時間近い公演を楽しんだ。イブ・モンタンやシャルル・ァズナブールを愛人にして世に出し、麻薬と交通事故で命を縮めた人生。

シャンソンの案内届く 春銀座
  (2016/02/20)
 大学同クラスの山崎順子さんから、ヤマハホールで四月に開くコンサートの招待状。仏文卒、五〇代でシャンソンを始めた。ピアフの「愛の讃歌」など。

 クロッカス 幸せの色 隅田川
  (2016/02/28)
 佃島・リバーシティーを背景に、隅田川の堤防に群生するクロッカス。「幸せの黄色いハンカチ」の色。日曜日、三歳ぐらいの女の子が、花の間を歩いていた。

 花を買う 啄木想う 雛の日に
  (2016/03/03)
 友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買い来て妻としたしむ 銀座の朝日新聞旧社屋跡地にホテルなどが入る12階建ビルを建設する計画を知らせる記事に、この地で仕事をした啄木の名前。中学生の頃、啄木の短歌が、文学に興味を持つきっかけに。

 六月の アズナブールを予約して
  (2016/03/02)
 九一歳のシャンソン歌手、シャルル・アズナブールが六月に「最後の」日本公演。自分の誕生日祝いに、と理由をつけて、ネットで二席予約。最も高い席はすでに売り切れ。学生時代に「イザベル」などの曲を聞いた。 43
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義彦  さくらさくら 琴の調べに母の顔

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

 さくらさくら 琴の調べに母の顔
  (2016/02/19)
 昨日は浜松市楽器博物館を見学。ガムランなど世界の楽器を展示。日本の琴もあり、「さくらさくら」の冒頭を少し弾く。昨年、十三回忌を済ませた母の趣味が琴だつた。

 露天風呂 小鳥鳴く朝 春の朝
  (2016/02/19)
 宿泊したホテルは浜名湖畔にあり、雄踏温泉の恵みが楽しめる。早朝の露天風呂は、ほぼ独占状態で、小鳥のさえずりを聞きながら、贅沢な時間。

 春近し ウナギの骨をばりばりと
 (2016/02/20)
ウナギの骨は、先日、浜松に旅行した際の自分への土産。昼食後にバリバリと噛み砕く。毎朝、測っている骨密度が低下気味なので、カルシウムの補充に。

 久々に ヒートテック身につけず
  (2016/02/19)
 四月頃の陽気。ワイシャツの下に、一月半ばから着込んでいたヒートテックは必要がない暖かさ。マフラーもバッグにしまって浜松から帰ってきた。

 

繭玉の 春を味わう午後三時

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

 繭玉の 春を味わう午後三時
  (2016/02/11)
 前橋の和菓子「糸くるま」。白い繭玉の形に似せて、薄緑色の柚子あんがくるまれた最中。映画「母と暮らして」 を見てきて、三時のティータイム。映画は吉永小百合さん、黒木華さんたちの好演に、涙が。

 春浜名 パリを運んでTOYOの店
  (2016/02/13)
 パリで和風フランス料理店を経営するシェフ.中山豊光さんが浜名湖ロイヤルホテルで、自慢の腕を披露する企画が昨夜。パリで食事した縁で、九〇人を超える客の席に。熊本出身。デザイナー高田賢三さんのお抱え料理人から自分の店「TOYO」を。

 古希祝う 河津桜も 咲き誇り
  (2016/02/13)
 上州女、岩尾光代さんの古稀のお祝いを学士会館で。「一億人の昭和史」 作りに携わり、いまは歴史ジャーナリストとしてサンデー毎日に「おんな維新物語」を連載。、会場近くの丸紅前に、河津桜が咲いていた。

 ヴァレンタイン フェアトレードのチョコ届く
  (2016/02/13)
 夫婦同士でつき合う連れ合いの元同級生、栄美子さんから、ヴァレンタインデーを前に、お手製のチョコレートが届いた。原料はフエトレードで入手した、と。

 ダッフルを 褒められてややぎごちなく
  (2016/02/14)
 休日用の紺色のダッフル・コート。昨日、新聞社の後輩女性から「素敵ですね」と声をかけられ、気恥ずかしく。弁護士会のチャリティーバーゲンで、格安で入手。今日はコートなしで宝生能楽堂へ。

三陸の 若布届いて 春隣り

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

三陸の 若布届いて 春隣り
(2016/02/06)
三陸・田野畑の若布作りは徳島の技法を導入した歴史があり、鳴門若布と並んで重宝している。寒い海中に入って若布を採る苦労を想いながら。

 

如月や オフィス移して また初心
(2016/02/01)
品川駅前のビルから川崎市にある工場に本社機能を移し、新たなオフィスで仕事を始めた。新聞のインキを製造し供給する仕事は変わらないが、五〇人ほどの社員が一か所に集結して、気持ちも新たに。

節分に長崎の夏 追体験
(2016/02/05)
五日
二目遅れの節分の話。出張先の長崎で原爆資料館を訪ねた。黄色く塗り替えられた原模型ファットマンや、被爆者として国連で初めて演説した山口仙二さんの写真。八二年当時の取材を思い出しつつ。

橋渡る 二月の風が足元に
(2016/02/02)
仕事場が川崎に変わつても、原則としてJRの駅まで自転車通勤。朝、リバーシティーの中央大橋を渡るあたりが一番、風が冷たく感じる。有楽町駅から川崎へ。

ミサイルが 飛ぶ石垣は花の季か
(2016/02/07)
人工衛星と称して北朝鮮が打ち上げたミサイル。上空付近を通過したとされる石垣島は、何もなければ沖縄独特の桜が咲く頃。かつて訪れた時、米軍基地で占められた沖縄本島とは雰囲気が違う素朴さを感じた島。

菜の花や 我が家のソフアに 二三片

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

菜の花や 我が家のソフアに 二三片
(2017/01/13)
房総から来た菜の花。花瓶から花びらが二、三片、ソファの上に散っていた。今週の東京は、比較的、温かそう。このまま春になるとは思えない。JR有楽町駅まで、本格的に自転車通勤を再開する。

神なびて 上野の山に 春の鹿
(2017/01/16)
上野公園・東京国立博物館で開催中の「春日大社千年の至宝」展。国宝や重要文化財の春日鹿曼荼羅を展示。会場内は汗ばむほどで春を思わせる。駆け足で一時間半ほど。居ながらにして奈良の都を味わった。

息ひそめ ヨーロッパっまで 蜜柑船
(2017/01/23)
徳島の温州ミカンを、特殊なコンテナ船でヨーロッパ市場に運ぶ計画。船便だと五〇日程かかるが、コンテナに窒素を充満させミカンの呼吸を抑えて品質を保つ。航空便より大幅に費用が安い。柑橘類生産県の近未来図。

しなやかな 言霊求めて冬のデモ
(2017/01/01)
連発される米大統領令。移民を拒否し、自国の国益を追い求め、批判するメディアに態度を硬化させる。日本は戦後、米国から民主主義を学んできた。トランプ大統領に反発する米国内の声は、その民主主義がまだ生きている証拠と信じたい。