そこかしこ 酢橘の緑 着地して

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無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

(2016/09/07)
 毎年九月初めに、徳島・神山の酢橘をお世話になった方々に贈る。自分のイメージは酢橘爆弾。迷惑している人も、と思いつつ。社内でも一〇個ずつ小袋に分けてみんなに。「緑の宝石」と呼んでくれる人も。 +

 

羽衣は 墨と戯れ 風は秋
(2016/09/02)
書家金子祥代さんがFBで「天のはごろも」の動画を配信。空中に文字を書くような、天女が踊るような。彼女らしい挑戦なのだろうか。二人で完成させたインタビュー記事が掲載されるはずだった雑誌「PAN」の発行は大幅遅れ 最終的に発行されず)。

ポッリぽつり 出席にマル 秋の会
(2016/09/06)
母校・徳島県立川島高校の同窓会「東京至誠会」。二五日に銀座ライオンで開く総会へ出欠回答が日々、到着。往復葉書五〇〇通、メール連絡約一〇〇人。うち出席は一割? 毎日、読売新聞にミニ案内。

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「緑の宝石」徳島スダチの魅力と蕎麦米雑炊-2
=「味の手帖」一七年六月号

高尾 義彦

故郷の先輩で専門紙「文化通信」社長だつた近藤晃治さんは生前、「松茸はありません」と断り書きをつけて、スダチを知人に贈っていた。主役ではないが、スダチがバイプレーヤーとして貴重な存在になつていることは、食通なら、知る人ぞ知る。
スダチといえば秋刀魚、秋刀魚といえば、目黒のさんま祭りが有名だが、この祭りでは毎年、スダチ・カボス戦争が取り沙汰される。
  同じさんま祭りといっても二つあって、ややこしい。一つが目黒駅前商店街振興組合(品川区)が主催する「目黒のさんま祭り」。昨年の例だと、岩手県宮古市の秋刀魚七千尾と神山のスダチ一万個が提供され、煙をもうもうと立てて焼いたサンマを楽しむ光景が毎年、テレビなどで報道される。
もう一つが目黒区が主体となって開催する「目黒区民まっり」。こちらは宮城県気仙沼市の秋1魚と大分県臼杵市のカボスの組み合わせで、互いに対抗心を発揮する。 私自身の体験でも、スダチをお贈りしたのに,
「カボスを有難う」との礼に、訂正をお願いすることが何年か続いた。神山町と臼杵市と、それぞれの応援団のライバル心は相当なもの。よく出入りする江東区・門前仲町の居酒屋「笑福」で、カボスのポスターを見かけると、「ん?」と微妙な気持ちになる。この店では、高校同窓会の二次会を開かせてもらい、せっせとスダチの宣伝をしている。
東京で人気がある阿波踊りの会場として、高円寺が有名だが、昨年はこのイベントに合わせて初めて、ピー~メーカーとタイアップ
した「神山スダチピー~」が登場した。積極的にPRを、と応援したい気持ちが募る。
スダチの魅力を生かす食べ方に「スダチご飯」がある。作り方はいたって簡単で、温かいご飯に削った鰹節を乗せ、醤油をかける。
これだけなら、「猫まんま」だが、これに半分に切ったスダチを搾ってたっぷりとかける。
さわやかな味わいは、お酒の後にぴったり。