セミが鳴く 特捜の名を 久々に

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無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

甘酒は 八海山に 義理立てて
(2018/07/04)
映画「空飛ぶタイヤ」を見た目本橋コレドに、新潟・八海醸造の店があり、甘酒を買う。蔵元を訪ねた一〇年以上
前から、ずっと季刊誌『魚沼へ』が送られてくる。

セミが鳴く 特捜の名を 久々に
(2018/07/05)
文部科学省局長の情けない汚職。財務省の文書改窟や官僚の偽証に、おとがめなしでは国民は納得しない。

素麺に 紫蘇の葉添えて 涼をよぶ
(2018/07/05)
夏の昼食は時々、冷たい素麺。紫蘇は知り合いが自宅の庭で育てた。何年か前、京都を旅行し三千院や寂光院を見
物した際、大原あたりで紫蘇を栽培する畑が目についた。

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お江戸下町落語事情-5
=「人生八馨」一五年秋季号・第四巻

五階建てのビルのオーナーで、日本舞踊など多彩な趣味を持つ小林由美子さんが随時企画している「サロン・ポリフォニー」。ビル四階のスペースを利用して多様な文化的催しを、と始めた。連れ合いの友人から紹介された。
 ここも高座は即席で、三十人ほどの椅子席が並べられ、家族的な雰囲気。やってくるのは真打の二代目桂伸治さん。もう三回ほど噺を聞いたが、実は先代の桂伸治さんは大学時代に利用していた西武池袋線の車内でよくお見かけし、なんとなく親近感があつた。いまも桂伸治さんは東久留米が住まいで、話の合間に、ローカルな話題も散りばめられる。
演題ふたつが終わると、同席の落語研究家が簡単に解説し、参加者との一間一答などで落語の知識を深めることも出来る。「真打の語源は?」 などの質問が出たり、サイン入りの団扇が抽選で当たつたり、また次の機会も聴きにこようか、という気分にさせてくれる。
ちなみにこのサロンでは、ジャズの世界で有名なサックス奏者、坂田明さんの「ミジンコの話」を聞いたのも印象的だった。ポリフォニーの命名通り、いろんな文化を提供する場を、という小林さんの意図は、下町の人々に受け入れられているようで、中で落語が重要な役割を果たしているのも嬉しい。
最後に、私の下町暮らしを語るにあたって避けて通れないのが門前仲町。北海道・士別出身の草野笑子さんが差配する居酒屋「笑福」がある。書評の巨人、故・草森紳一さんも常連客だつた店で、かつて二階の座敷で定期的に落語の会を開いていた。三遊亭園龍さんらが出演していたといい、記念の単行本 「ばつてら深川『笑福』女将が綴る半生記」 に、その思い出が記されている。
笑う門には福来たる。おあとがよろしいようで。