菖蒲楊に 未練残して今朝もまだ

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無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦
菖蒲楊に 未練残して今朝もまだ
(2017/05/09)
端午の節句の菖蒲湯。今年は今朝もまだ湯舟に菖蒲を残したまま。マンション入居から17年。最近、給湯器が時々、キューンという音とともに機能停止し、取り換え工事を頼む時期に。数十万円の物入り。

浄智寺で 鶯鳴いて緑濃くく
(2017/05/07)
北鎌倉駅近くの浄智寺境内で野外パーティー。新聞社同期で鎌倉通信部が最後の勤務地だった吉野正浩さん主催。俳句ポストに、酔いに任せて。パーティーには輝祭など持参。参加した若い女性記者との世代の差は大きく。

虎ファンが ユニフォーム着て初夏の駅
(2017/05/11)
昨日夕方のJR東京駅。阪神のユニフォームを着たペア。背中にアルファベットで「鳥谷」。昨日は巨人に敗けたが、菅野投手の連続完封記録を阻止して五連勝した快進撃の主役は鳥谷、糸井、福留。虎キチ六〇年余。

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特別寄稿

手拭い下げてお江戸の銭湯-4
=「人生八馨」 一五年
春季号・第二巻

高尾 義彦

 夕方五時過ぎだったので、それほど混んでなくて、若者やちょっと癖のあるひげもじゃの男など客は七人。身体を洗って超音波の湯船に入る。江戸の銭湯らしくかなりの熱さだか、我慢できないほどではない。あとで43度と知った。いったん上がって、普通のお湯の湯船にも身をゆだねる。温度はほぼ同じで、二つとも大人が三人も入るとちょっと窮屈に感じるほど小さい。新入りがあちこち眺めるのも失礼か、と15分ほどで上がって、脱衣場へ。着流しの男性が椅子に座ってスマートフォンをいじっているかたわらを、入ってきた外国人が通り抜ける。着替えをしていた若い男性二人は関西なまりで、観光のついでという風情だった。「金春湯」を利用する客筋に興味がわくが、取材は控えて外へ。
帰りは晴海通りを走って、歌舞伎座を左手に眺め、勝鬨橋を渡る。もんじゃの店がひしめく月島通りには「月島温泉」があり、早めにトライしたいところ。佃二丁目の自宅マンションには二十分ほどで帰着。すぐそばにある住吉神社に向かう佃小橋を渡ると、右側に「日の出湯」。ここはマンションと銭湯が一体になつていて、名前を記した煙突がリバーシティーの高層マンションを背景に高くそびえて、存在感を示している。いつも自転車で有楽町駅まで通勤している入船通りの途中には 「湊湯」(湊一丁目)がある。この三軒が日頃、気になつている銭湯の三羽烏だ。
記憶に残る銭湯の思い出と言えば、高知県土佐郡大川村・白滝鉱山に住んでいた小学校六年生の頃にさかのぼる。父親が日本鉱業に勤務していた関係で、小学校時代はヤマからヤマの転校生活。その最後が海抜800メートルの白滝で、冬には滝も白く凍る寒さだつたことから、この名が生まれたと言い伝えられる。