指走る リスト・シヨパンに聖歌へと

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住専、豊島、司法改革-1
中坊公平さんの三回忌
=「人生八馨」一五年
夏季号・第三巻

 深い緑に覆われた瀬戸内海の美しい島は、西側のそこだけがばっくりと大きな傷口を開け、海側には長いフェンスが張られている。現場を歩くと、ひん曲がったドラム缶やタイヤなどが地面からはみ出し、油だろうか、緑や黄色の液体がにじみ出ている。
産業廃棄物の不法投棄で「ごみの島」と呼ばれた香川県・豊島は、いまも廃棄物処理作業が続く。
公害調停成立から15周年の15年6月6日、岡山県の宇野からフェリーに乗船して5年ぶりに豊島を訪問した。船上からも「大きな傷口」は見えて、20年近く前に住民側弁護団長だつた中坊公平さんらの運動を取材するため、廃棄物の上を歩いた記憶が蘇る。
家浦港で、今回の「島の花を見る会」を企画してくれた産業廃棄物対策豊島住民会議事務局長・安岐正三さん、熊本学園大学・中地重晴教授らに迎えられ、マイクロバスで宿舎のテシマリゾートに向かう。参加者は学者、弁護士に新聞記者などで、濃淡はあれ長く豊島に関わってきた人たち。中坊事務所から弁護団に加わり今は独立したもののNPO法人「瀬戸内オリーブ基金」の理事長を務める岩城裕弁護士も加わっていた。途中、中坊さんらが植えたオリーブの木を確認、白い花や大きく育った様子に15年の歳月を改めてかみしめた。
「花を見る会」は公害調停が成立した2000年6月、廃棄物が撤去される十年後に、みんなで豊島に集まって締麗になつた自然の中で「花見」をしようと約束したことが発端。拙著「中坊公平の追いつめる」(毎日新聞社刊、九八年)では中間合意までの経緯を報告し、その中で「島で花見といえば、桜ではなく、島三田に咲き誇るツツジを愛でて酒を酌み交わし、持参の弁当を楽しむこと」と紹介した。
つづく

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訃報読む 賀状の宛名書く前に
(2015/12/15)
在日韓国人二世の映画監督、呉徳沫さんの訃報が毎日新聞に。取材でお付き合いし、年賀状のやりとりを続けてきた。七四歳。喪中の葉書はすでに四〇枚近く。今年はご本人が亡くなつたケースが目立つ。

指走る リスト・シヨパンに聖歌へと
(2015/12/14)
ピアニスト、近藤和花さんのディナーショーを、昨夜、千代田区のレストランで。彼女の車のナンバーはリストの生れた年。超絶技巧を披露。我々はその前に東京交響楽団のコンサートをサントリーホールで。