無償の愛をつぶやく Ⅲ
高尾 義彦
海岸に 行けず日比谷で 肌焼くか
(2020/05/06)
立夏の日比谷公園。咲き誇るバラや勿忘草を楽しむ人たちに交じって、上半身裸でベンチに座る男性の賓も。ここはコロナ禍でも閉鎖されておらず、息抜きに訪れる家族連れなどが多い。テニスコートなどは使用禁止。
伊勢海老を 頼まれて買う 五島から
(2020/05/07)
長崎県五島列島・奈留島は伊勢海老漁の季節。ところがコロナで民宿などの観光客はなく、漁師さんたちは販売先がない。同人誌仲間で五島出身の津村裕子さんから「1キロ5000円プラス送料」の案内。同人などに声をかけ、我が家も含め9件の注文。
紫蘭春蘭 その名知らずに 散歩する
(2020/05/08)
隅田川沿いの佃公園に紫色の花が咲いている。初めて見た時、「この花の名前は?」と聞かれて、「知らん」。春蘭は、知り合いの陶芸家、神谷紀雄さんの器に描かれて
いる。この春、チューリップや藤の名所で、三密を避けるため花を切る愚行。花に罪はない。
五日ほど 菖蒲浮かべて 湯が香る
(2020/05/09)
端午の節句に湯舟に浮かべた菖蒲の束をしばらくそのままに。微かだが清々しい香りを感じて、コロナ感染の兆候である嗅覚障害はないと確認する。朝は30分ほどストレッチした後、入浴するルーティンは変わらない。夜は、身体を洗って、ゆつたりとした気分で。
海風を 五月の風を 受け止めて
(2020/05/10)
隅田川の一番下流に出来た築地大橋から、竹芝、芝浦など湾岸を自転車で。マッカーサー道路から環状2号線が豊洲市場まで延び、築地市場は解体されてほぼ更地に。
練濃い浜離宮庭園はコロナのために休園。いつもなら遅咲きの桜などが楽しめたが、紫備工事中。
アヤメ咲く 聖路加タワー 伸び上がり
(2020/05/11)
佃公園にアヤメが咲いた。いずれがアヤメ杜若、ここはアヤメ(菖蒲)。遠景の聖路加タワーは鎖骨及び肋骨の一部を骨折した自転車事故で、生涯初めて入院した病院。
川数年前、20日間ほどの個室生活を思い出す。2棟がつながって双子のような高層ビル。
衣更え 狭い我が家を 右左
(2020/05/12)
小さなマンションだけど、入居した頃、収納の能力が充実していることに感心した。しかし今では、書物やら衣類やら物置の様相を強めて、室内の移動にも神経を使うほど。衣更えは冬物と夏物の置き場所をコンバートする作業が中心で、根本的な解決にはならない。
検事総長 粘って夏を 超えるべし
(2020/05/13)
俳句にはならないが、そう言いたい。黒川東京高検検事長は半年延長された定年を8月7日に迎える。稲田検事総長がそれまでに辞めなければ、安倍首相の目論見は実現しない。国会論議をよそに、総長の抵抗に期待したい。#検察庁法改正案に抗議します。
(注)写真の不足分はNETからお借りしました。
心から感謝申し上げます。
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