無償の愛をつぶやく Ⅲ
高尾 義彦
筍も テイクアウトの 弁当に
(2020/04/14)
近くのカフェ「星時計」では、コロナによる営業・外出自粛を受けて、弁当のテイクアウト予約を始めた。馴染みのお年寄りにはデリバリーも。先日、マグロの手巻き寿司を美味しくいただいた。一人で頑張るさとみさん、日々通う豊洲市場の入荷・売上減を心配する。
紅色の マンサク眺め 一万歩
(2020/04/16)
いつもは自転車で行く豊洲のホームセンターヘ、徒歩で。途中の街路樹がペニイロマンサク。ボタンのような桜も咲いていた。速足で歩くと汗ばむような陽気で、片道40分ほどの距離は適度な運動に。コロナ太りなどの言葉も飛び交い、ともかく基礎体力の維持を。
ァマビエの 漫画時々 花冷えに
(2020/04/17)
半人半魚の架空の妖怪。コロナ退治に、と注目され、漫画などで人気に。本当に効果があるとは誰も思っていないけれど、ワクチンもまだ開発されず、出口が見えない状況では心理的に救いを求めたくなるのも、やむを得ないか。笑いが、健康のもとと考えよう。
バンクシー この春家で 仕事する
(2020/04/18)
お馴染みのネズミの絵などを、自宅のトイレに描いているバンクシーの近況が報道された。コロナ禍で巣ごもりを余儀なくされている人たちの身になつてか、本来の路上の舞台に出られない画家。「家で仕事をすると妻が嫌がる」と在宅勤務に共通の悩み?
セピア色 スポニチ紙面 春はまだ
(2020/04/19)
ブロ野球も米大リーグもサッカーーリーグも、開幕の見通しが立たない。スポーツ紙にとつても受難の春。スポニチは長嶋、王など往年のスター選手のレジェンド風写真を毎日、掲載して紙面を埋める。大相撲も感染者が出て、夏場所の行方が気がかり。
納経も 出来ず御遍路 激減し
(2020/20)
四国八十八カ所霊場会は、お遍路さんが経文を納める納経所を5月6日まで閉鎖する方針を打ち出した。対応は寺ごとの判断だが、コロナ禍でお遍路さんの人数も激減。お遍路さんは春の季語なのに、「同行二人」の菅笠姿もまばら。空海さんも寂しい春。
宅配の ビール頼んで 牡丹の季
(2020/04/ 21)
月に一回ほど、カクヤスにビールを頼む。350ミリリットル缶2ダース入りのケースを4個。自分の晩酌はビールなら1缶、日本酒なら1合。昼間、予定はすべてキャンセルになつて、近場を散策。門前仲町に近い牡丹町公園では、まだ蕾でこれから楽しめる牡丹も。
贈り物 和紙の手触り 春来たり
(2020/04/22)
染織作家、石山修さんから和紙を染めたブックカバーなどが届いた。かつての我が家の生業が紙漉きだったと知っている友人の手配。書道仲間の女性からは、大判の和紙を大量に。夏の書道展に向けて自作の俳句を書き始めたが、なかなか満足出来る作品にはならない。
阿波踊り この夏中止 新市長
(2020/04/22)
この夏の阿波踊りは中止されることになつた。当選したばかりの内藤佐和子徳島市長が実行委員会に提案、了承された。4日間すべて中止は戦後初めて。東北のねぶたや京都の祇園集など季節の風物詩は軒並み、取りやめ。墨田川花火もすでに中止が決まっている。
鳥の餌 二十年目の さくらんぼ
(2020/04/23)
ベランダの小さなサクランボの木が実をつけた。現在のマンション入居直後に門前仲町の縁日で買ってきた植木で、初めて10数個の実を確認。すでに鳥がついばみ、種だけが残ってる実もあるが、まだ7個ほど健在。うすいピンクに色づき、早めに収穫しなければ。