運河沿い オオシマザクラ楚々として

Pocket

無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

運河沿い オオシマザクラ楚々として
(2016/03/24)
川崎の工場周辺の一斉清掃の日。工場団地を取り巻く運河沿いに、白いオオシマザクラが、二分か三分咲き。地味だが気品があり、寒さの中、気持ちが引き締まる。

タンカンを 食べ終えた頃 チャイム鳴る
(2016/03/22)
川崎の工場では、始業時や昼食時間の終わりを知らせるチャイムが鳴る。今日の昼食のデザートは鹿児島産のタンカン、あまりなじみがないが、酸つぱくもなく極端に甘くもなく美味。工場団地なので周辺には喫茶店などもなく、社員達は仕事に専念。

冬コート また取りだして花の下
(2016/03/24)
東京はソメイヨシノの開花が宣言されたのに、二月ごろの寒さとか。冬のコートを着込んで出勤。亡くなつた岩見隆夫さんを中心に四谷の土手で続けてきた岩見桜の会は、名前を変えて二六日だそうだが。

紫の 五島のすみれベラ/ダに
(2016/03/25)
五島列島から来た玉之浦椿の根元に生えていた高尾スミレ。椿は、同人誌「人生八撃の執筆者の一人、津村裕子さんが、生まれ故郷の知人を通じて送ってくれた。

群れ成して 袴振袖桜道
(2016/03/26)
千鳥ケ淵の桜並木に向かう靖国通りの坂道を、女子大生たちが降りてくる。武道館で開かれた明治大学の卒業式帰り。神保町・岩波ホールで、四〇牢近く前のイタリア映画「木靴の樹」を見て、桜見物。

ーーーーーーーーーーーーー