花を買う 啄木想う 雛の日に

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無償の愛をつぶやく Ⅱ

高尾 義彦

 ビアフには 薔薇が似合うと歌を聴く
  (2016/02/27)
 大竹しのぶさん主演のシャンソン劇「ピアフ」。日比谷・シアタークリエで三時間近い公演を楽しんだ。イブ・モンタンやシャルル・ァズナブールを愛人にして世に出し、麻薬と交通事故で命を縮めた人生。

シャンソンの案内届く 春銀座
  (2016/02/20)
 大学同クラスの山崎順子さんから、ヤマハホールで四月に開くコンサートの招待状。仏文卒、五〇代でシャンソンを始めた。ピアフの「愛の讃歌」など。

 クロッカス 幸せの色 隅田川
  (2016/02/28)
 佃島・リバーシティーを背景に、隅田川の堤防に群生するクロッカス。「幸せの黄色いハンカチ」の色。日曜日、三歳ぐらいの女の子が、花の間を歩いていた。

 花を買う 啄木想う 雛の日に
  (2016/03/03)
 友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買い来て妻としたしむ 銀座の朝日新聞旧社屋跡地にホテルなどが入る12階建ビルを建設する計画を知らせる記事に、この地で仕事をした啄木の名前。中学生の頃、啄木の短歌が、文学に興味を持つきっかけに。

 六月の アズナブールを予約して
  (2016/03/02)
 九一歳のシャンソン歌手、シャルル・アズナブールが六月に「最後の」日本公演。自分の誕生日祝いに、と理由をつけて、ネットで二席予約。最も高い席はすでに売り切れ。学生時代に「イザベル」などの曲を聞いた。 43
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