アワガミ今昔・「和紙」にこだわる-4
=「人生八馨」一六年春季号・第六巻より
ユネスコ(国連教育科学文化機関)は二〇一四年一一月、小川町の「細川紙」、岐阜県美濃市の「本美濃紙、島根県浜田市の「石州半紙」に代表される日本の手漉和紙技術を無形文化遺産に登録した。父の血脈の中に流れる和紙への憧憬とこだわりが、自分の中にも受け継がれ、それが客観的な評価を受けたように思えて、嬉しかつた。
翻って、自分と和紙との直接的な関わりは、といえば、十数年前から書道をたしなむようになって、和紙へのこだわりが生まれてきた。
毎日新聞書道クラブで月三回のペースで筆を持ち、下手ながらに、定期的に作品展に出品させてもらった。練習用の和紙は、日本橋三越前にある島根県のアンテナショップで「石州半紙」を買い求めた。アワガミファクトリーの藤森さんからいただいた和紙を色紙代わりに使って、下手な俳句を認めたりしている。
書道クラブの友野浅峰先生が主宰する湖心社書展は三年に一回、銀座画廊(名鉄メルサ八階)で開かれ、〇五年に初めて出品した作施品は、半紙に「崇山峻嶺」の四文字。王義之の「蘭亭序」にある言葉で、当時は日々、二八行三二四文字ある蘭亭序と取り組んでいた。
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フランスの パンの春りよ秋の朝
(2015・10.1)
パリで買ったパンをまだ食べている。パンとバター、チーズが美味しい国。郊外に広い農地が広がり、農業大国・フランスを実感した。日本も豊かな食を自前で、と願う。