新春を詠むー2

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新春を詠むー2.

新春を詠むー2

高尾 義彦

香梅と書初めの筆走らせて   三日
北野天満宮。主に子供たちを対象に書初めの場が設けられ、筆と半紙を買って飛び入り。菅原道真にならって、「香梅」の二字を即興で。書道クラブ新年会に向けて、宿題の手本を師匠の友野浅峰さんから貰って、一念発起。

年明けて変わらぬものも新しく   六日
四日は年始回り、五日は会社の新年会。今日から生産活動が本格化。風景は変わらないように見えるが、新しい決意を込めて。ジャーナリズムの反対語はマンネリズム。心して。

半跏思惟蠟梅の寺清らかに   七日
自宅近くに蠟梅の花。京都・広隆寺の宝物殿前にも蠟梅がほころんでいた。北野天満宮では紅梅白梅が蕾から花へ。優雅な弥勒菩薩像を生んだ文化を大切に。

初笑い文枝のその目笑わない    八日
桂文枝新春特撰落語会を有楽町の朝日ホールで。「天国へのメロディー」と「抜け雀」。さすがに芸歴五〇年。存分に笑ったが、三枝時代からの「新婚さんいらっしゃい」でも、その目は笑っていない。

 

雑煮椀七日過ぎても飽きもせず   九日
今月はずっと餅を食べる。雑煮が終われば、焼いて、黄な粉やくるみや砂糖醤油など。徳島で育った子供の頃は、餅をつく日が楽しみだった。餅にあんこをくるんで。

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