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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第8章 「死に方格差」を乗り切るには?
終末治療の「事前指示書」を書いておく-3
人工呼吸器 (1)希望する(2)希望しない
気管切開 (1)希望する(2)希望しない
人工透析 (1)希望する(2)希望しない
その他の蘇生術 (1)希望する(2)希望しない
私は、事前指示書は患者さんにとっても大切なものだと思っている。しかし、日本の場合、それは、いくら必要だとわかっていても、をためらうことである。ある調査によると、が「必要」と答えているが、では、それを本当に文書にする場合、抵抗感があるかどうかを訊くと5割以上の人が「ある」と答えている。
日本人の感覚からいって、死について話し合うことは、たとえ身内でも縁起でもないことなのだ。しかし、これからは、この感覚を捨てなければ、私たちはいい死に方はできないだろう。
いまだに患者本人へのガン告知を嫌がる家族がいる。本人を思いやってのことなのだろ家族にとっても、
また医者にとっても必要な現時点で大きな問題点が解決されていない。
患者さんと家族が「死」について話し合うのリビングウィルの必要性については8剖の人うが、それを知らずに医者がうっかり告知してしまうと、家族の恨みを買ってしまう。こうしたことがあるので、事前指示書はなかなか広まっていかない。
しかし、家族も患者の穏やかな死を望んでいるなら、事前指示書こそが本人への思いやりだ。