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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第8章 「死に方格差」を乗り切るには?
愛川欽也さんの死に方は「理想的」か?-1
2015年4月、80歳で亡くなった俳優の愛川欽也さんは、理想的な終末期を過ごしたと言えるのではないだろうか。愛川さんの死に方は、死に方に「いい死に方」と「悪い死に方」があるなら、間違いなくいい死に方だったと思う。
愛川欽也さんの死因は肺ガンだった。事務所の発表では、「昨年冬より体調の不安を訴え、検査いたしましたところ肺ガンであることが判明いたしました。本人のたっての希望により、入院はせず在宅での懸命な治療を続けてまいりましたが、容態が急変し自宅にて旅立ちました」 (愛川企画室) ということだから、ガンが発見されてわずか半年で旅立ったことになる。
報道では、発見時にはすでに脊髄に転移していたというから、ガンはステージ4の終末期だったはずだ。とすれば、ここで手術や延命治療を選択しなかったのは賢明である。
その結果、愛川さんは亡くなる直前まで、人気テレビ番組『出没-・アド街ック天国』の出演を続け、記念すべき1000回を支障なくこなすことができた。