富家孝講師の略歴は上部の「プロフィール」をクリックしてください。
「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

自己負担の「1割から2割へ」は確実-2

前記したように多くの人が1割負担者になるが、この1剖負担者の限度額を年間で出す外来+入院53万2800円となる。つまり、それ以上かかったとしてもここまでが払う限度となっている。
しかし、これが2割負担になると、負担額が増えたうえに、限度額も改正される可能性がある。すでに70~74歳の負担額は2割になっているので、75歳以上もこうなるのは確実だ。
「70~74歳の窓口負担2割」 は、2014年4月2日以降に70歳になった人から適用された。しかしこのとき、限度額は据え置かれた。これは、高齢者への配慮と政治家が「高齢者いじめ」という批判を避けたためだ。
しかし今後、75歳以上の2割負担が決まれば、高額医療費の限度額も引き上げられるだろう。なぜなら、先の財政制度等審議会財政制度分科会では、「高額療養費で高齢者と若年者など、年齢による差は理不尽」との指摘が出たからだ。
現在、高齢世帯では年金頼りの生活をしている人が多い。そこで、年金生活者の収入を見ると、夫婦2人で厚生年金が月に約14万円、年間で約168万円となつている。もしこの夫婦のどちらかがガンなどにかかれば、たいていの場合限度額の上限までの医療費がかかる。現在の制度では、その額は前記したように年間芳2800円である。しかし、入院治療と富と、健保や高額療養費制度の対象外の費用もかかる。たとえば、「食事代=1食260円」「寝間着とタオル代=1日350円」「オムツ代=1日650円」きだ。
っまり、年金だけで暮らす世帯では、医療費だけで年間支給額の3分の1以上を使ってしま、つことにlなる。
現在でもこれだから、「窟以12割負担」となれば、年金収入だけの世帯では暮らしが成り立たなくなつてしまうだろう。どんをに治療したくても、それはおカネとの相談とをってしまうわけである。
こうしたことを考えると、私たちは75歳を超えても、できるかぎり健康であらねばならない。そして、万が一、健康を害して病院のお世話になることになったら、どのように終末を迎えるかを真剣に考えなければならないのだ。