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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第8章 「死に方格差」を乗り切るには?
75歳からは医者の言うことを聞かない-1
さて、こうして無事に65歳を過ぎたなら、次の節目は75歳である。これは、ここから後期高齢者になるという現実的な問題を含めて、多くの人が医者の世話になることが多くなるからである。ガンの罹患患率も一気に高まる。
しかし、これまで述べてきたように、病気と老化とは違うものであり、また、医者はほとんどの病気を治せないのだから、やるべきことは医者の言うことをなるべく聞かないようにすることだ。
たとえば、75歳以上でなんらかのガンが発見されたとしよう。そうした場合、いまの医者はマニュアルどおりに手術と化学療法を勧めるだろう。しかしステージにもよるが、ほとんどの場合、そのガンを根治することはできない。
最近はようやく「ガンは完全に治せない」という認識が一般の方にも浸透してきたので、ガン治療においては、患者さんの年齢、体力を勘案して行われるようになった。しかし、それでも過剰治療、延命だけの治療がいまだに行われている。
したがって、75歳以上でガンが発見されたら、なるべく医者の言うことを聞かないことである。本当にいい死に方をしたいと願うなら、延命治療に懐疑的な医者を探し、ご自身の気持ちと考え方を話し、治すことよりもいかに最期まで自分らしく生きるかを選択すべきだ。とくに男性の場合、平均寿命の80歳を超えたら、そうすべきだろう。治療を受けるにしても「緩和治療」だけを選択することも可能だ。