はじめに 3 自分の死をイメージする
このような体験をしながら、改めて現代の医療を考えると、 見逃せない問題が山積していることに気がつく。
日本がいつのまにか、本当に高齢化社会になってしまい、 かつてのどんな時代よりも「死に方」が私たちにとって大きな問題になったことである。 だから、最近では「終活」が流行語になり、 「どうやって最期を迎えるか」というテーマが メディアでも盛んに取り上げられるようになった。
かつて死は私たちに自然に訪れ、 家族を含めた共同体の中で当たり前のこととして処理されてきた。 しかし、いまや私たちは死を自然に迎えられなくなった。
死ぬことも自己責任であり、どう死んだらいいのか、 生前から自分自身で考えなければならないようになった。 それが「終活」という言葉に如実に現れている。
そこでお聞きしたいが、 あなたはご自分の終活を行っているだろうか?
ご自身の死をはっきりとイメージできているだろうか?
{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
つづく