65歳を過ぎたら生活習慣を変えない-2

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第8章 「死に方格差」を乗り切るには?

65歳を過ぎたら生活習慣を変えない-2

現代社会は「健康情報」「長寿情報」が氾濫している。たとえば、「長生きしたければ」というキーワードで検索すると、あらゆる方法が出てくる。また、この枕詞を使ったタイトルの本が多いことに本当に驚く。
しかし、それらの方法があなたに適しているどうかは、まったくわからない。長寿者を調べても、長生きの秘訣の多くは、その人特有のもののほうが多い。1000人の人間がいれば、そのなかには太った人もいるし、痩せ気味の人もいる。毎日ジョギングを欠かさない人もいれば、運動などほとんどしない人もいる。
このように人間はみな違う体型、生活習慣を持っているので、それで今日まで元気なら、それを変えるほうがリスクは大きい。
ただ、そうはいっても多くの人は納得しない。
「やはり煙草はやめるべきですか?」 「運動は絶対必要ですか?」「肉より野菜を多くとった方がいいですか?」などと、個々の生活習慣について訊いてくる。現代人は、常に正解″を求めているのだと、つくづく思う。
だから、いくら「そんなものはないですよ」言っても聞いてくれないのである。
そこで、そういう人たちには、「65歳まで大病をせず、普通に健康で生きてきたなら、健康法・長寿法など、あまり必要はないですよ。これまでと同じように生きていけばいいんですよ」と言っている。
実際、私はすでに70歳だが、昨日と同じことを繰り返し、新しいことはほとんどしていない。これまでの生活習慣を一気に変えるような食生活、運動などはしていない。
65歳まで何事もなく来たのなら、生活習慣にとくに問題はなかったということである。
だから、太り過ぎだから運動して痩せよう、塩分のとりすぎだから控えようなどと、突然「健康志向」になって、大きく生活を変えてはいけない。
運動も食事も年相応に減らしていくだけでいい。