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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第7章 信頼できる探し方、選び方
「わからない」とはつきり言う医者は信頼できる-2
つまり、患者さんが治らずにリピーターになつてくれたほうが病院経営は安定する。現代において「必要な医療以外はしない」は神話化している。つまり、患者さんの病名を突き止めて完治させることは、医者自身の首を絞めるのである。
とすると、「わからない」と言って、専門医を紹介してくれる医者が、もっともいい医者だということが、おわかりいただけると思う。
世の中には素直に「わからない」と言える医者は多くない。とくに、最高学府の医学部を出ていたりすると、この言葉はなかなか言えない。だから、私は医者を選ぶときは、学歴よりも、経験数を重視すべきとも言っている。自分の専門分野の臨床経験が豊富な医者が、いちばんである。医者は患者によって鍛えられるので、どれほど多くの患者と接してきたかによって、その価値を判断すべきだ。
経験値が豊富な医者は、患者さんの目を見て話す。パソコンに向かいきりで、検査データばかりを見ている医者はやめたほうがいい。また、3種類を超えるクスリを出す医者も勧められない。
自分の範囲を超えていたら、素直に「わからない」と言い、その場で専門医や大病院のしかるべき診療科に連絡を取ってくれる。そういう医者こそ、あなたのかかりつけ医にすべきだ。