これからは「主治医をつくれ」と国が提唱-2

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{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第7章 信頼できる探し方、選び方

これからは「主治医をつくれ」と国が提唱-2

日本では保険証1枚で、どの医療機関にも自由にかかることができる。この結果、軽症者も重症者も地域の中核になる大病院に集中してきた。しかし、今後はこれをなくさないと、高齢化で年々増える高齢者と医療費の増加は抑えられないと国は考えたわけだ。
ただし、いくらそうしろと国が国民に言っても、言うだけではいまの体制は変わらない。
そこで、厚労省は、病床数が200床未満の病院や診療所の医師が、高血圧、糖尿病、脂
‥質異常症、認知症のうち二つ以上の病気を抱える患者を継続して診た場合は、診療報酬を
月1回当たり1503点 (1万5030円) がもらえることに制度を変えた。ただし、主治医の条件は厳しい。主事医のいる医療機関は、患者には24時間対応し、在宅医療も行うことが義務づけられ、介護保険に関する相談などにも応じるよう求められた。
これまで、私たちはなにかあれば、まず近所の町医者(主に内科医) にかかった。誰もがよく行く病院、よく行く医者を持っていたと思う。
これをかかりつけの医者、すなわち「かかりつけ医」とすれば、今後はこれを積極的に活用し、そのうえで主治医を持ってほしいということである。
たとえば、英国には国営医療制度(NHS)がある。これは、税金を財源としている制度だから、英国国民は原則負担なしで治療を受けられる。
ただし、NHSでは、あらかじめ登録しているホームドクター(かかりつけ医)の診察を受けなければならない。そして、そのホームドクターが必要と判断して、はじめて病院の専門医の治療が受けられることになっている。欧州では、オランダやデンマークなど
も同様の仕組みがある。