体内に入ったナノ粒子によって健康管理-1

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{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第6章 どうしたら健康で長生きできるか?

体内に入ったナノ粒子によって健康管理-1

長寿研究が遺伝子レベルまで進むのと並行して、最新テクノロジーで病気を予防し、それによって長生きできるようにする研究も進んでいる。
これまで、医学は起こったことに対処してきた。つまり、病気になればそれを治すこと
が、私たち医者の仕事だった。しかし、最新テクノロジーがさらに発展すると、医者は起こる以前のことに対処するようになる。つまり、病気を治すのではなく、、病気にならないようにするのである。そうなると、私たちの健康寿命は確実に伸びる。
2014年10月、グーグルは「G00g-e)こという生体研究プロジェクトを行っていることを明らかにした。これはナノ粒子で、ガンや心臓発作などを早期発見するプロジュクトだ。
このナノ粒子というのは、直径が1/10億m(赤血球細胞の1/1000未満)で、磁性材科に抗体を組み合わせたものだという。これを血流中に送り込み、特定の疾患に関連する物質を検出させるのだという。
つまり、音ヒットした映画『ミクロの決死圏』のようなことが現実化する。
報道によると、このプロジェクトの責任者アンドリュー・コンラツド氏は、次のように語っている。
「ナノ粒子の磁気を利用して、ウエアラブル装置で体内の粒子を1カ所に引き寄せる。たとえば、手首の内側の浅い場所を通る血管に粒子を集める。そこで粒子から、なにを見たのか、ガンを見つけたか、心臓発作を起こす不安定なプラーク(沈着物)らしきものはなかったか、血中のナトリウムは多すぎないかといった情報を得る」
つまり、これにより、体内の情報が、手に取るようにわかるようになる。