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{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第6章 どうしたら健康で長生きできるか?
「人はなぜ老化するのか?」の最新研究-2
このような老化研究は、医者の立場から言うと、じつは、邪道である。なぜなら、医療というのは目の前の病気やけがを治すことが使命とされ、それで発達してきたからだ。老化は避け難い生命現象で病気ではないのだから、以前は関心が高くなかったのである。
その流れを変えたのが、遺伝子研究である。2000年、マサチューセッツ工科大学教授のレオナルド・ガレンテ氏などのグループが、「サーチユイン」という遺伝子が活発に働くと寿命が延びるという報告を発表してから、老化研究の潮目が変わったのだ。その後、日本でも日本抗加齢医学会ができ、20人から出発した会員がいまや7500人を超えた。
サーチユインのような長寿遺伝子研究はいまも絶えず続いており、ごれを活性化させるにはカロリーを制限する、空腹をあえて続けたほうがいいなどということがわかってきた。
とはいえ、このような長寿遺伝子が活発化しても、身体に悪いもの(たとえば発がん物質など)を食べていたら長生きはできないわけで、老化研究はいまの段階では長寿には直接結びついていない。
ギネス認定の人類の最長寿者はジャンヌ・カルマンさんというフランス人女性で、122歳まで生きた。また、日本人では泉重千代さんが120歳まで生きた(現在は否定され105歳説が主流)。また、2015年4月に亡くなられるまで世界最高齢と認定されてい
た大川ミサヲさんは、117歳まで生きた。こうしたことから、120歳前後が寿命の限界と言われているが、この先、130歳、140歳長寿者が出現するのだろうか?
ちなみに、122歳まで生きたジャンヌ・カルマンさんの大好物は赤ワインとチョコレート。大川ミサヲさんは、たくさん食べて最低8時間は寝ており、鯖寿司が大好物だつたという。