熟年セックスの正しいやり方ー2

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{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
 第6章 どうしたら健康で長生きできるか?

熟年セックスの正しいやり方ー2

しかも、私の知っている例では、「ゆきずり」のケースが多いということ。たとえば、熟年になって同窓会で再会して、その夜ホテルでなどという例がある。もちろん、原因はほぼ心血管系疾患である。たとえば、2006年、ドイツのフランクフルト大学の研究グループが性交死した男性68人の病理解剖報告の分析を公表しているが、その結果は、10人は愛人と、39人は娼婦とで、いずれも心血管系疾患だった。
つまり、興奮し過ぎてしまったということである。通常1回のセックスでの体力の消費は、「100メートルを全力疾走したときと同じ」とされている。セックス時の脈拍数を見ると、1分間に120程度から射精前の状態では、1分間に180強まで上がる。通常
の心拍数は70前後だから、これは2倍だ。激しいスポーツを行ったときと同じくらいの数値である。スポーツもそうだが、若いときと同じと思っていると落とし穴が待っているわけだ。
「突然死が怖いからセックスをしない」という人はいないと思うが、やはり、リスクは回避したほうがいいだろう。刺激的な場所は避け、また、普段行わないような過激な行為は慎む。また過度の飲酒はしない、食後は避けるなどを心がけるべきだ。やはり、年齢に合ったスローセックスがベストである。          一
前記したアメリカ心臓協会の調査を指導したベイラー医科大学グレン・レヴィン教授は、こう言っている。
「性行為中は発作が起こるリスクが普段の約2~3倍に高まる。ただし全体として見れば、セックスは運動になるしパートナーと心の繋がりができるなど体にプラスになることもあり、それを上回るほどのリスクではない」