睡眠時問と寿命の関係、長すぎてもいけない-3

 

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{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第6章 どうしたら健康で長生きできるか?

睡眠時問と寿命の関係、長すぎてもいけない-3

では、睡眠を取りすぎるとどうなるのだろうか?
これも調査から、9時間以上睡眠を取った人たちは、平均6~8時間の人たちと比較して心臓の衰えが著しくなるという結果が出でいる。取りすぎると、適正睡眠を取っている人に比べて、認知テストの結果が悪くなるのだ。
寝すぎている状態というのは、レム睡眠といって、脳が半分覚醒している「浅い睡眠」状態が続くということになる。浅い眠りを続けると、体内時計が乱れ、ホルモン分泌が乱れ、たとえば糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まる。
ただし、必要とされる睡眠時問は状況によって大きく変わる。引退して日々の活動が現役時に比べて少なくなった人は、短くてもかまわない。しかし、現役で激務を続けている人は、やはりぐつすり寝ることが必要だ。私はスポーツ選手の医療コンサルタントをしていたが、激しい運動をする人はやはりそれなりの睡眠を取らないと回復しないし、寿命も
縮まる。睡眠中はさまざまなホルモンが分泌され、体を修復し、新陳代謝を促し、免疫力を高めるからだ。
睡眠でもっとも大切なことは、「ノンレム睡眠」、つまり〝深い眠り″を適正時間取ることである。また、歳をとったときの睡眠は、できるだけ身体を暖かくして寝ること。脳がよく休まって手先の血流がよくなっている状態の睡眠がベストだ。体が冷えてしまっていると、浅い眠りにしかならない。また、夜の10時から夜中の2時にかけて、成長ホルモンが活発に分泌されるゴールデンタイムと呼ばれる時間帯がある。この時間帯にいかに深い睡眠をとるかが大事である。