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{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第6章 どうしたら健康で長生きできるか?

なぜ青森県は日本一の短命県なのか?-1

長野県と反対に、全国でいちばん寿命が短い県は、青森県である。なにしろ、青森県は都道府県別の平均寿命調査で、男女ともワースト1位を連続で記録している。この調査は5年おきに行われ、前回は2010年。このときの青森県の平均寿A叩は、男性77・28歳、女性85・34歳だった。
これは、男性は1975年から8回連続、女性は2000年から3回連続の最下位である。
寿A叩ばかりではない。青森県は死亡別でも男女ともにガンがワースト1位となり、男性は心疾患、肺炎、腎不全、糖尿病もワースト1位である (2012年調べY。
なぜ、青森県は健康数値がこんなに悪いのだろうか?
その理由に関して、今日までいろいろなことが言われてきた。
データからは、(1)喫煙率が全国1位、(2)飲酒率が全国1位、(3)塩分摂取量が全国2位と、いずれも高いことが直接原巾四とされてきた。確かにこの三つは寿命を締めでしまう。
これに加えて、北国・雪国のため、長い冬の間に運動量が落ちることも原因とされてきた。
また、全国1、2位を争うほど仕事がなく、失業率が高いことも影響しているのだとも言われてきた。
青森県のHPを見ると、知事の三村申吾氏も「短命県からの脱出に向けて」として、前記した原因を挙げ、こう訴えている。

《(短命県であることは)食生活を含めた生活習慣が大きく関わっています。また、健康診断をなかなか受けてくれないために、大きな病気に気がつかずにいるということもあります。
生活習慣病は、日常生活の積み重ねによるものなので、我々としても、食生活改善運動などの地道な取組を行っていますが、今からでも、皆さん一人ひとりが健康について、自分自身の問題として真剣に考えてくれると嬉しいです。また、食生活改善については、県庁職員が、調理師やレストランのシェフ、スーパーマーケットの惣菜部門の担当者など、いわゆる外食、中食関係者に呼びかけ、塩分を減らした、昆布や焼き干しなどのお出汁や酢を使った健康に良い食べ物を提供しょうという、「あおもり食命人育成事業」に取り組んでいます。》