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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第5章 こんな検査・治療は拒否していい
どんどん進むガンの超早期発見プロジェクト-2
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の主導により、独立行政法人国立ガン研究センターは企業やほかの医療機関とともに、ガンや認知症を簡単に検査できる世界最先端の診断機器・検査システムの開発を行っている。ガンに関しては、1回の採血で診断できるという画期的なものだ。
これは、マイクロRNAという物質を検知してガンを発見するというもので、その技術をすでに確立しているという。マイクロRNAとは血液や唾液、尿などの体液に含まれる22塩基程度の小さなRNAのこと。近年の研究で、ガンなどの疾患にともなって患者の血
液中でその種類や量が変動することが明らかになってきている。
現在、血液検査で腫瘍マーカーが導入されているが、このマイクロRNAは、まったく新しい腫瘍マーカーと言える。
これが実用化されれば、胃ガン、食道ガン、肺ガン、肝臓ガン、胆道ガン、膵臓ガン、大腸ガン、卵巣ガン、前立腺ガン、勝胱ガン、乳ガン、肉腫、神経膠腫の13種のガンを超早期発見できるという。
また、慶應大学は、唾液による超早期発見の研究に取り組んでいる。さらに、匂いによる超早期発見の研究も進んでいる。
しかし、どんなに早く発見しようとガンはなくならないだろう。私たちが老化していくことだけは防ぎようがないからだ。