有効なガン検診、無意味なガン検診

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第5章 こんな検査・治療は拒否していい

有効なガン検診、無意味なガン検診

ガン検診も、効果のほどが疑問視されているものが多い。「ガンは早期発見、早期治療が第一と言われているので、ガン検診を受ける方は年々増えている。
しかし、ガン検診でガンが発見され、その後治療を受けた人がなにもしなかった人より長生きした、また、早期発見したことでガンが治ったという確かなデータはない。一部のガンで検診の有効性は確認されているが、ほとんどのガンで検診は無駄というのが、いまや世界の医学界の一般的な見解だ。
毎年、健康診断で、肺ガン検診や.大腸ガン検診、とくに女性は乳ガン検診を受ける人は多い。しかし、これらの検診は欧米諸国では国民的には行われていない。
ただし、ガン検診すべてが無意味ではない。そこで、どんなガン検診が無意味で、どんなガン検診が有効なのか?を知っておく必要がある。
無意味なものの代表は、やはり肺ガン検診である。たとえば、CTによる肺ガン検診では、非喫煙者や女性が対象の場合には、「過剰診断ガン」とされる、放置しても症状が出るほど進行せず、検診を受けなければ発見されることのなかったガンが、治療を必要とするガンの8倍近く見つかってしまうということが指摘されている。
続いて、最近よく行われている 「胃の内視鏡検査」「肺ガンのCT検査」「前立腺ガン検査」は、本当に有効かどうかはわかっていない。そのため、欧米諸国では一般的にあまり行われていない。
というわけで、現在のところ、有効とされるガン検診は次の三つと言われている。
「子宮ガンの細胞診」「乳ガンのマンモグラフィ検査」「大腸ガンの便潜血検査」である。