CT検査、レントゲン検査で”被曝″

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 「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

 第5章 こんな検査・治療は拒否していい

 CT検査、レントゲン検査で”被曝″

 日本は、世界でいちばんCT検査が行われている国である。日本のCT保有数は1万2943台で世界最多。2位がアメリカの1万2740台で、3位はブラジルの3057台。
 人口当たりでみると100万人あたり97・3台で、OECD諸国の平均22・1台の4倍以上と異常に多い。
 この結果、検査器の減価償却のため、なにかというとCT検査が行われている。しかし、CT検査には、”被曝する”という危険性が伴う。レントゲンも同じで、Ⅹ線を浴びるのだからこれは当然だ。
 CT検査はⅩ線によって、体を透過したⅩ線の量をデータとして集めて、コンピュータで処理することによって体の断面画像を得る。
 CT検査で体を1回スキャンすると、その被曝量は5・30ミリシーベルトという。職業被曝の年間限度は50ミリシーベルトとされているので、1回のCT検査で数回スキャンするとしたら、その被曝量はかなりのものになる。年間2回以上C検査を受ければ、下手
をすると職業被曝の年間限度をオーバーしてしまう可能性がある。
 つまり、医者の勧めるままにC↑検査を何度も受けるということは、自ら被曝しに行っているようなものなのだ。
 指摘されているのは、C↑検査による被曝で発ガンリスクが高まることだ。アメリカでの調査によると、C↑1回のスキャンの発ガンリスクは、歯医者で歯のⅩ線を1400回撮るのに等しいという。
 こうしたことを憂慮して、最近は医療側もC↑検査を自粛していこうとする動きが出ている。たとえば、CT検査やⅩ線検査などの放射線検査の関連学会などでつくる団体は2015年4月18日、検査方法の統一基準を初めてまとめた。
 しかし、日本の痛院の多くは、ほかの病院で撮ったC↑で診察するのを嫌う傾向が強く、病院を代わるとまた新しくCTを撮らされることはザラだ。これは、血液検査なども同じで、私たちほ病院に行くたびに、また始めから検査を受けることになる。
 こういうことから逃れるのには、ご自身で検査の有無を判断するしかない。ちょっとした病気で検査漬けになってしまっては、かえって健康を害することになりかねない。
 脳腫瘍など深刻な症状が疑われる場合には仕方がないが、そうでないなら、医者とよく話し合ってからCT検査に応じるべきだろ