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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第5章 こんな検査・治療は拒否していい
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(4) 血糖‥空腹時血糖値110超えは危険信号、ただ糖尿病は食事・運動治療が基本-2
糖尿病発症の平均年齢は60歳だから、50歳代になったら、誰もが炭水化物の摂取量を減らしていくのが望ましい。また、塩分控えめも有効だ。
空腹時血糖値は、血液中の成分を測るため、食後3時間経ってから測ることになっている。この点、HbAICは、赤血球の中にあるヘモグロビンと糖がくつついたものの比率を測るので、食事の影響を受けない。だから、こちらの数値のほうを重視する向きもある。
今回、HbAICは~5・5から6・03(男性)となったが、専門医は、「それ以上になったとしても必ずしも心配する必要はないが、生活習慣を変えて糖尿病のリスクを軽減していくようにしたほうがいい」 と言う。
このように、基準値を厳しく守っても、それが健康に直結するなどということはありえない。単なる目安程度と考えるべきだ。具体的に言うと、グレーゾーンだったらクスリや治療は必要ないということ。また、数値を知りたくて健康診断をむやみに受けるのもやめるべきだろう。
いまや多くの医者が指摘しているが、集団で行う健康診断は無駄である。集団健診は、過去何十年にもわたって毎年数千万人が受けているが、それで健康になったり、1寿命が延びたりしたというデータ的根拠はない。むしろ、病気や異常を告げられることで体調不調になる人が増加してしまう。こうなると、本末転倒と言うほかない。