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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第5章 こんな検査・治療は拒否していい
(4) 血糖‥空腹時血糖値110超えは危険信号、ただ糖尿病は食事・運動治療が基本-1
新基準では「空腹時血糖値」と「HbAIC」(過去1~2カ月の血糖の平均値)が緩和された。
男女別に分けられ、女性のHbAICでは年齢別に分けて設定された。
どちらも糖尿病の尺度になる数値なので、気になる方も多いと思うが、じつは治療現場ではすでに基準値を緩和する方向だったので、医者の私としては、2014年基準値の媛和には驚かなかった。
ただし、専門医が言うのは、「新基準では空腹時血糖値が83~114になったが、これだと、〝境界型〟を見落とす危険がある」とのこと。境界型というのは、いわゆる糖尿病予備軍で、境界型のときから糖尿病は進み、将来的な合併症につながるので、早期治療が大切と言われてきている。
そこで、専門医たちの意見を集約すると、「110を超えたら注意」ということになる。
専門医たちはこれを「110番」と呼んで、治療開始の目安にしている。
ただし、治療といってもクスリは使ってはいけない。現在、治療現場ではインスリン分泌促進剤が使われているが、これには低血糖のリスクがある。とくにSU剤は止めたほうがいいというのが、専門医たちの意見である。
では、どうするかといえば、食事を少なめにして、食後の運動(といってもウォーキングで十分)を心がけるようにする。単純にご飯を茶碗一杯食べていたのを7分目にするだけで、血糖値は下がる。