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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第5章 こんな検査・治療は拒否していい
(2)血圧‥基準値にとらわれず、高血圧は「90+年齢」を目安に。
「高血圧は万病のもと!場合によって死に直結します」などと、多くの医者が口にする。
そして、血圧が高いと判定されると、「降圧剤を出しますので、それで様子を見ましょう」などと言う。
この降圧剤を出す基準は、2014年の基準値改定まで、「上(収縮期血圧)」が140以上、「下(拡張期血圧)」が90以上だった。140以上の方はみな音同血圧と診断されてきた。
しかし、新基準では上は147まで、下は94までが正常値となった。
しかし、端的に言って基準値がどう変わろうと、1も下も基準値を大幅に外れないかぎり、大きな問題はない。というのは、降圧剤は医者にとっても薬品メーカーにとってもドル箱で、数値がどうであろうと出そうとするからだ。
現在、70歳以上の方の降圧剤服用率はなんと45%にも達している。また、日本における降圧剤の年間消費額はなんと1兆円に達するとされている。厚労省によると、高血圧症の患者数は2011年に906万7000人に達している。ということは、日本人の10人に
1人ほどが高血圧ということになる。
私が医学の道に入ってからすでに40年以上が経つが、この間に高血圧の数値は何度か変わった。高血圧は数値で判定するから、この判定基準が変われば、正常が異常になってしまう(その道もある)。つまり、これまでの日本は、数値を厳しくすることで、わざと患者をつくつてきたのである。 -
1960年代の後半、日本中の医学部でもっとも広く使われていた教科書の一つが『内科診断学』である。
私もこの本で勉強した。
この本では、「健常者の血圧」として 「日本人の年齢別平均血圧」が示きれていた。年齢別平均血圧に近い数字の算出法は「最高血圧=年齢数+90mm軸」とされ、「年齢数に90を加えた数字よりも低ければ血圧は正常」という診断法が当時の主流だつた。つまり、60歳なら「90+60=150」で、150以下なら正常とされた。