末期ガンから自力で生還した人たちがいる。

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第4章 ガンで死ぬということについて。

末期ガンから自力で生還した人たちがいる。

末期ガン患者の生き方を考えるとき、そこから生還した人たちがいるという話は、私たちに大きな希望を与えてくれる。いわゆる、ガンが自然治癒す喀という話である。
最近、アメリカでベストセラーになった『がんが自然に治る生き方 余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと』(ケーリー・ターナー・著、長田美穂・訳、プレジデント社、2014)は、まさにそうした内容の本である。
医師は治すのが仕事なのでこうした事例を追跡研究しない。「たまたま」治ったという話は「偽りの希望」を与えるだけだとして積極的に口外することもなかった。だから、自然治癒事例は事実上放置されてきたので、それに関して徹底的に調べたというのが、この本である。
著者はまず、1000件以上の症例報告論文を分析し、さらに.・世界10ケ国へ出かけ、ガン生還者にインタビューを行った。
そうしてみると、ガンの自然治癒を体験した人々には共通する実践事項」があったという。
最初、劇的な寛解において重要な役割を果たしたと推測される要素(身体、感情、内面的な事柄)が75項目浮かび上がつた。しかし、全項目を表にして出現頻度を調べると、75項目のうち上位9項目は、ほぼすべてのインタビューに登場していた。
では、その9項目とはなんだろうか?

.抜本的に食事を変える
.治療法は自分で決める
・直感にしたがう
・ハーブとサプリメントの力を借りる
・抑圧された感情を解き放つ
.より前向きに生きる
・周囲の人の支えを受け入れる
・自分の魂と深くつながる
・「どうしても生きたい理由」を持つ

私としては、どの項目とも目新しいとは思わないが、これまでのガンに関しての見聞を振り返ると、こうしたことはほぼ確かではないかと思う。
ただし、これをすべて実践したからといって誰もが生還できるわけではない。ガンでもそうだが、ガン患者さんのガンは同じガンでも一人ひとりみな違う。100人いれば100人達うと言っていい。だから、ある人が受けた治療が有効だったからといって、別の人にも有効だということにならないのだ。
自然治癒もまた同じだろう。とすれば、この9項目でいちばん大事なのは 「治療法は自分で決める」ということだろう。つまり、どう生きて死ぬか、ガンにかかろうとかかるまいと自分で決めていた人間のほうが、決めていなかった人間より、自然の恩恵を受けられるということではないだろうか。