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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第4章 ガンで死ぬということについて。
「ガン」と「ガンもどき」は別物という説-3
どちらもミスコピーされた異常細胞であるのは間違いないからだ。
近藤誠医師は、多くの著書のなかで、次のような主旨のことを言っている。
「ガンの専門家たちは、ガンの定義を諦めました。それまでのガンの定義は、『成長して将来患者を殺す異常細胞』と考えていたのですが、顕微鏡などの発達で、ガンも十人十色、百人百色と言ってよいほどさまざまなタイプがあることが分かってきました。おとなしい
ものもいれば、凶暴な奴もいて、その顔付きだけでは判定できなくなつてきています」
ただし、私は医者だからはっきり書いておきたいが、ガンの部位によって、およその性質は決まり、以下のガンは悪性度が高いと考えられる。
①膵臓ガン、②肝臓ガン、③肺ガン、④乳ガン、⑤食道ガン これらのガンは、残念だが、「悪さをするガン」 であることが多い。
いまだに医者はガンではウソをつく
たとえば、難治性のガンが発見されたとき、医者はなんと言うだろうか?
患者に向かって、「あなたはもう治りません」とはっきり告げる医者はどれほどいるだろうか。最近は、説明責任が問われるから、もちろんはっきり告げる医者もいる。しかし、気が弱い患者だと、そのショックの大きさを考えざるをえない。山思者のほうも「先生、絶
対治りますよね。頑張りますので、なんとかお願いします。まだ死にたくありません」と言う場合が多い。こう言われたら、たいていの医者は 「大丈夫です」「最善を尽くしますから、ご安心ください」 などとしか言えないだろう。
そこで、その責任を放棄してしまう医者も一部に存在する。たとえば、「ほかの病院で精密検査を受けてください。また別の結果が得られますから」などと言う医者がいる。これは、治癒が困難だとわかった患者は、その病院にとってク厄介者″だからだ。
実際、一部の大病院では、治せる患者だけがほしいというのがホンネだ。なぜなら、診察待ちの患者が多いので、完治が見込めない患者はあまり来てほしくない。そのうえで、来た患者さんの病気はできるだけ速くケリをつけ、回転数を増やしたいからだ。
大学病院では、難治性の患者をほしがるところもあるが、それはその病気が珍しく、格好の研究材料になる場合だ。
末期ガンの患者に「媛和医療の施設を紹介します」と告げる医者がいるが、これは、「あなたはもう手に負えないから施設を替えてほしい」ということを暗に言っていると思って間違いない。
もちろん、そんな医者ばかりではないのも事実である。しかし、ガン患者がこれほど増えたいま、治る見込みが少ない患者をなんとか救おうと全力を尽くす医者はどれだけいるだろうか。