生存率を知ることでその後の生き方が変わる-2

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

生存率を知ることでその後の生き方が変わる-2

たとえば、国立がん研究センター、がん研有明病院、聖路加病院、東大病院などによってみな違うのである。ただし、大きく違うかと言えばそうではない。それでも、その病院で症例が少ないガンによっては違う場合もある。さらに、途中で追跡不能になったり、ほかの病気で死亡する例もあったり、集計方法によっても違いがある。
そんななかで、一般的によく使われている全国がんセンター協議会(全がん協) のデータが、ガン患者さんにとってはいちばんの指標になるだろう。このデータは、全国32の医療機関の症例から算出されているからだ。
全がん協ではHP(http://www.zengankyo.ncc.go.jp)でこれを公開しており、検索ページでは、自らが知りたい条件を入れて検索すれば、個別の生存率を知ることができる。
5年生存率を知ることが、なぜ重要かと言えば、その数字いかんで、生き方が変わってしまうからだ。生存率が低いからといって悲観することはないが、それでも、生存率が低ければ、その後の生き方は変わってしまう。
たとえば、私がもし膵臓ガンでステージ3と診断されたら、即座に人生最後の「終活」に入る。
残された時間をどのように過ごし、どのように死んでいくかに真剣に取り組むだろう。
ガンは心筋梗塞や脳卒中と違い、最後の時間が与えられる病気である。その意味で、心筋梗塞や脳卒中などでいきなり死ぬことよりは、ガンで死ぬことのほうがいいと言う人がいる。