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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}
第4章 ガンで死ぬということについて。
いくら治療しょうとガン細胞をゼロにはできない-2
結核などの感染症であれば、一細菌やウイルスが体の中から消えれば、完治と言うことができる。しかし、ガンは、細胞のミスコピーで生じるものだから、ガン細胞が体の中からなくなることはない。
人間の体は、約60兆個の細胞でできていて、毎日、新しい細胞が生まれては死ぬという代謝を繰り返している。この細胞の中に、細胞の設計図である遺伝子(DNA)があり、これが傷つくとミスコピーが起こつて、それがガン細胞になる。つまり、ガンとは、簡単に言えば細胞の老化現象なのである。ミスコピーされてできるガン細胞は、1日に約5000個あるとされている。
体内にガン細胞ができると、その度に退治してくれるのがNK細胞と言われる免疫細胞である。
免疫細胞は、ガン細胞を見つけると、まず自分自身の細胞かどうかを見極める。
そして、自分自身の細胞でないと確認した時点で、ガン細胞を殺す。しかし、免疫力の低下に伴い、殺されるガン細胞が減り、ガン細胞が増殖していくことになる。だから、ガンは何年、何十年とかけて形成され、検査で発見されたときは、すでにかなり進行しているということになる。
これを、現代医学では、主に外科的手術で取り除いているだけだ。
つまり、ガン細胞を根絶して、ゼロにすることは不可能なのである。
よく言われる「5年生存率」というのは、ガンと診断された人のうち5年経過後に生存している人の割合がどのくらいになるかということ。つまり、100%に近いほど治ったと言えるわけだが、これはあくまでも統計にすぎない。
ただ、医学的に、ガンを取り除く処置をしてから5年経過後までに再発がない場合を「治癒」とみなしているだけだ。