完治しない病気とどう付き合うのか?-3

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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第3章 「老化」と「病気」は違うもの

完治しない病気とどう付き合うのか?-3

{高血圧}降圧剤は血圧を上がらなくするだけ。あくまで治すためではない。

生活習慣病の代表とされる高血圧。しかし、血圧が正常値より高いということがはたして病気だろうか?
とはいえ、高血圧の状態を放置していると、動脈硬化を促進し、脳卒中や心疾患、あるいは慢性腎臓病などの重大な病気につながる恐れがある。だから、医者ぼ「このまま放置しておくことは危険です」と言って、降圧剤を出す。
しかし、健康診断で高血圧が発見されても、とくに異常な数億でないかぎり、あまり問題はない。
私としては、症状がたいしたことがなければ、食生活を変えたり、適度な運動をしたりと生活習慣を改善したほうがよほどいいと思っている。問題は、そうしても数倍の高さが慢性化してなかなか下がらない場合だ。そういった場合は、やはり降圧剤に頼る
しかない。
ただし、降圧剤は単に「これ以上血圧が上がらないようにするためのクスリ」で、高血圧体質そのものは治らない。むしろ、歳をとれば血圧が高くなるのが自然だ。
高血圧患者さんに多いのは、降圧剤を服用して数値が下がり出し、体調もよくなると、「クスリが効いた」と思って服用を止めてしまうことである。そうすると、また数値が上がるわけで、結局、一生クスリに頼る生活になる。
高血圧の方は、クスリ一辺倒にならず、日常生活を無理なく送れるように生活を改善することがいちばんだろう。