完治しない病気とどう付き合うのか?-2

 富家孝講師の略歴は上部の「プロフィール」をクリックしてください。
「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第3章 「老化」と「病気」は違うもの

完治しない病気とどう付き合うのか?-2

糖尿病になると、インスリンを分泌する膵臓のベータ紳胞が死んでいく。もちろん、再生機能が失われないかぎりは大丈夫だが、糖尿病患者の場合は機能が失われるスピードのほうが速く、インスリンが足りなくなる。
そこで、インスリン注射が必要となり、これを始めると、ほぼ一生の間続けていかなければならなくなる。
腸内のインスリンを出すスイッチとは、インクレテンという腸のホルモン。血糖値が上がってからスイッチが入る膵臓のスイッチよりも、食物がスイッチを押す腸内のスイッチのほうが反応が早く、そのスイッチを増やすことができるのが、バクテロイデスという腸内細菌なのだという。
したがって、バクテロイデスを腸内で飼って、野菜を摂取することで血糖値を低くしていけるという。もちろん、それだけで糖尿病が全般的に改善されるわけではないが、こうした新しい治療法を取り入れることでインスリンの分泌量を適正に保つことは可能だ。
最近は、IT技術が治療にも取り入れられている。たとえば、iPhOneによって、患者の血糖値を正確にコントロールできるデバイスの開発も行われている。これは、常にiPbOneが患者の血糖値を測定し、1日で注射するインスリンの量を計算できるというも
のだ。こうした治療法の進化が、この先、糖尿病患者の負担を軽くしていくだろう。