完治しない病気とどう付き合うのか?-1

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{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第3章 「老化」と「病気」は違うもの

完治しない病気とどう付き合うのか?-1

ガンと同じように、老化として付き合わなければならない病気は多い。これらの病気は、いくら病院に通おうと完治はしないので、治療はすべて対症療法となり、死ぬまでの問、上手に付き合っていかなければならない。
最近では手術で治す方法も。発症しても症状を抑えていく方法が次々に登場しているこれまで薬物治療が中心だった糖尿病の新たな治療法として、最近、世界的に注目されているのが外科手術である。これは、十二指腸をバイパスして胃と小腸とをつなぐ手術だ。
すでにアメリカでは、手術を受けた糖尿病患者の8剖以上で血糖値が正常になり、体重も減少したという報告があり、日本でも行われるようになつてきた。
また、いままでは常識とされた「運動・薬・食事制限」とはまったく別の「食べて改善」する治療法も登場している。

NHKの『ためしてガツテン』は、これまで10回も糖尿病をテーマとして取り上げ、その都度、最新の情報を視聴者に提供している。2015年6月10日の放送では、「食べて糖尿病大改善!医師も驚がく最新ワザ」として、糖尿痛を改善する腸内細菌を増やす方法を紹介していた。
それによると、インスリンを出すスイッチが腸内に元から存在し、野菜を食べることでそのスイッチを増やすことができるという。
糖尿病とは、膵臓でつくられるインスリンというホルモンの分泌不足により、慢性的に高血糖になった状態を指す。高血糖が続くと、腎臓病や網膜症、神経障害などの合併症が起きる可能性が高まる。そこで、糖尿病治療は、できるだけ血糖を正常に近い状態に保つことを目的としてきた。