ガン治療における「治癒」「完治」「寛解」の違い-2

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{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第3章 「老化」と「病気」は違うもの

ガン治療における「治癒」「完治」「寛解」の違い-2

ただし、この状態では、まだ再発の危険性を否定できない。
抗ガン剤を用いた治療では、症状は改善されたが検査ではまだ一部に異常が残る場合に「部分寛解R)」、症状が消えて検査でも異常がなかった場合を「完全寛解(CR)」と呼んでいる。
「完治・治癒」と言えるようになるには、治療を終えてから最低でも5年間で再発が見られないことが必要で、そうなって初めて、一般的に 「ガンが治った」と言えるのだ。
ガンに関して次の第4章で詳しく述べるが、ガンになったら「とうとう老化がやっできた」と思い、どうやって付き合っていくべきかを考えるべきだ。手術で完全に治ると信じ込むのは間違いである。
70歳を前にした私の友人の一人は、「できるならガンで死にたい」と言っている。その
理由は、よほど後期でなければ、「死ぬまでに十分な時間があり、いろいろなことを整理できるから」と言う。