医者は風邪を引いてもクスリを飲まない-1

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{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会より}

第3章 「老化」と「病気」は違うもの

医者は風邪を引いてもクスリを飲まない-1

このような人間の体のメカニズムから言えるのは、じつは多くの病気は医学的な処置やクスリでは、根本的には治らないということである…
このことは、私たちが「死に方」を考えるとき極めて重要なことなので、ここからは風邪を例にとって説明してみたい。
ちょっとした風邪でもすぐに病院に行く人がいる。咳や鼻水が出ただけでも、病院に行けばなんらかの治療をしてくれる。場合によっては注射を打ってくれ、間違いなくクスリをくれるので、病院に行くのが風邪を治す早道だと、たいていの方が思っている。しかし、医者、看護師、薬剤師などは、単なる風邪のときは病院に行かないし、クスリもほぼ飲まない。この私も、もちろんそうである。
なぜなのだろうか?
それは、医者は風邪を根本的には治せないからであり、風邪が治るのは、多くの場合、医者や医学の力ではなく、人間の体が本来持っている自然治癒力、免疫力によってだからである。
医者ができるのは、風邪の症状を軽くし、そのうえで回復を早めるためのサポートだけである。このことを医者は患者さんに明確には告げない。そんなことをしたら、商売が成り立たなくなるからだ。
もし、あなたがかかった医者がヤプ医者なら、検査とクスリ漬けでかえって症状を悪くしてしまう可能性だってある。
こう言うと、「それではなぜ、お医者さんは、重くなると肺炎になることもあるので痛院に行くようにと言うのですか?それにインフルエンザなら、タミフルのような抗ウイルス薬があるではないですか?」と、よく訊かれる。
しかし、風邪でもインフルエンザでも、圧倒的大多数の方は自宅療養で普通に回復する。
インフルエンザは、風邪の一種と解釈できるが、最近は毎年冬になるとニュースで大々的に取り上げられるため、重病と思っている方が多い。しかし、インフルエンザでも、その多くは普通に治るのだ。十箸水分と栄養そして休養をとれば、お年寄りでなければほぼ回復する。それが、免疫の力だ。
インフルエンザの特効薬と言われるタミフルが登場したのは、ここ川年ほどのことである。それ以前は、インフ~エンザにかかっても風邪と同じょうな治療法しかなかった。しかし、それで治ったのである。だから、タミフルが登場して、それでインフルエンザが治るようになったわけではない。タミフ~はインフルエンザのウイ~スの力を弱める働きをしているだけなのである。
朗邪薬には効能書きに「効く」とは書かれているが、「治る」とは書かれていない。
では、なぜ医者は風邪を引いて病院に来た患者さんに、クスリを処方するのだろうか?
それは、風邪薬には症状を和らげる作用があるからだ。つまり、私たちがよく飲む風邪
風邪薬は症状を和らげる効果しかない
風邪やインフルエンザを治すクスリは存在しない。
風邪薬やインフ~エンザの薬は「効く」だけで、「治す」ことはできない。だから、