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「富家孝著・SB新書「死に方」格差社会(本体800円)」より。
ベルギーとオランダに見る安楽死の現実-2
そうして、1993年に遺体処理法、2002年に、いわゆる安楽死法(正式名称は
「要請による生命の終結及び自死の援助審査法」)が成立し、施行されている。つまり、現実
のほうが先に進み、そのたびに国民的な議論が繰り返されてきたのだ。
オランダの安楽死法が認めているのは、次の4項目である。
(1)患者からの任意かつ熟慮された要請
(2) 圧倒的に医療的な苦しみがある
(3)他に合理的な解決策がない
(4) 独立した医師によるセカンドオピニオン
これらの要件が満たされれば、医師はクスリの投与、注射により薯を安楽死させることが認められる。
2012年度にオランダで認められた安楽死は4188人で、このうち医師による生命の終結3965件、自死の援助185件となつている。これら安楽死した人々のうちの3251人が、末期ガンなどの重病を抱えていたという。
そこで、この日本で積極的安楽死を認めるとしたら、私は限定条件をつけるべきだと考える。ベルギーのように子供までを認めるのではなく、たとえば、回復の余地のない高齢患者にかぎればいいのではないだろうか。とくに、終末期で延命治療だけで生きている患者さんには、安楽死を認めてもかまわないのではをかろうか。実際、そのように主張している人々もいる。