TPPによって「混合医療」が解禁されるとー2

 富家孝(1)

  謹 賀 新 年

      富家 孝

 

{富家孝著・SB新書「死に方」格差社会(本体800円)より}

 TPPによって「混合医療」が解禁されるとー2

 ところが、TPPが成立すると、ほぼ間違いなく混合診療が解禁される。つまり、保険適用の診療と適用外の診療を同時に受けることができるように成る。3割負担診療と全額負担診療を組み合せることが可能になる。
これgは一見すると、患者にとって有利になるように見えるが、医療の市場化が促進されるので、長期的には不利に働く可能性が大きいのである。また、医者にとっても市場原理の中で競争が激しくなるので、医師会は大反対している。なぜなら、腕の悪い医者、評判の悪い医者は稼げなくなってしまうからだ。
では、なぜ混合医療は私たちに不利なのだろうか?
それは、現時点で保険適用外の診療のなかには、将来保健適用になる可能性のある診療もあるからだ、「先進治療」と呼ばれているガンの治療法などが、これに該当する。