「医師数が足りず患者の門前払いが起こる」-3
医師が不足するということは専門医が足りないということである。ガンの専門医、腫瘍内科医、緩和ケア医、放射線治療医などが足りないことである。となると、糖尿病や髙血圧など複数の病気を抱えた患者などに対して、病院側は受け入れに慎重にならざるを得ない。
高齢社會というのは、重篤な合併症を抱えた患者が増える社会である。しかし、これに病院は対応できないのだ。だから、そうした患者さんも専門医でない一般病院で診ることになり、さらに、持てあまされて病院から追い出されることが起こり得るであろう。
日本は2005年から人口減少社会に転じたが、その一方で、65歳以上の高齢者数については2040年ごろまで増え続けると推定されている。となると、今後起こるのは、医者が足りない、ベッドが足りないわけだから、たとえば、救急車で運ばれてきても受け入れなくなってしまうという事態だ。かって急患のたらいまわしが問題になったことがあるが、2025年にはたらいまわしすらできずに放置されてしまうことが起こりかねない。