「医師数が足りず患者の門前払いが起こる」-2

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SB新書「死に方」格差社会
著者・富家孝
発行・SBクリエティブ株式会社
定価・800円・本体+税
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「医師数が足りず患者の門前払いが起こる」-2

ところが厚労省は長い間、日本の医師数は足りているいう姿勢を崩してこなかった。
「医師数は過剰、偏在だけが問題」として、数学的に不足が明らかになると、これまで65歳まででカウントし、あくまで「医師不足でない」と言い張ってきた。この辺の欺瞞や、医療格差。医療崩壊の現実は永田弘氏の著書「貧乏人は医者にかかるな! 医師不足が招く医療崩壊」(集英社新書、2007)に詳しく書かれているので、興味のある方は一読をお勧めしたい。
2010年、厚労省はこれはまずいと思ったのか、初めて医師数の不足を認め、その後、医学部の定員削減の見直しを行うことになった。さらに、臨床研修制度についても、医師不足や地域医療に配慮した特別プログラムの実施や、期間短縮を視野に入れた計画を打ち出した。
しかし、医学部の増加は、全国の11大學で各10人増という微々たるものだから、2025年にはさらに医師が不足する。