「医師数が足りず患者の門前払いが起こる」-1
「2025年問題」には、さらに別の側面がある。
それは、日本では医者の絶対数が足りない、人口数に比べて医師数が絶対的に足りない「医師不足」という現実だ。
2015年の統計によると、日本の医師数は30万3268人、このうち、医師として働いているのは28万8850人で、人口1000人あたりの医師数に換算すると2・3人となる。これはOECD加盟国34ケ国中下から6番目でトップのギリシャの6・2人の半分にも満たない。また加盟国の医師数の平均と比べると、12万人も不足している。
その結果、なにが起こっているかというと、医師の勤務時間が長くなり、病院がブラック企業化してしまっているのだ。
日本医療労働組合連合会が病院に勤務する医師を対象に行った調査によると、約3割の医師が「過労死ライン」である月80時間以上の時間外労働を行っていた。また、約7割を超える医師が宿直と日直を合わせた32時間連続の勤務を月に3回も行っている。