「ピンピンコロリ」で死ねるケースは少ない-2

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「ピンピンコロリ」で死ねるケースは少ない-2

 いずれもピンピンコロリではない。第6位にやっと老衰が来て、10人中約0.5人である。老衰以外はみな、病院にお世話になる死に方だ。つまり、ピンピンコロリという理想的な死に方、「直前まで元気で健康なこと」「家族に迷惑をかけないこと」は、ほとんど実現しない。
たとえば、心筋梗塞や脳梗塞で倒れると、救急車で病院に運ばれる。運ばれた先の病院では、高度治療が行われるので、助かれば結果的にリハビリ生活になる可能性が高い。こうなると、介護施設や家族の介護を受け、最終的に衰えて死期を迎えるというパターンになる。
また、ガンの場合も、発見後に手術を受けるが、進行ガンや末期ガンだと、抗ガン剤や放射線治療の副作用のなかで、病院や施設で死んでゆくことになる。
「病院死は不幸で在宅死は幸せ」と、これまでは思われてきた。しかし、この考え方を大きく転換しなければならないところに、私たちは追い込まれているのである。