「ピンピンコロリ」で死ねるケースは少ない-1

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「ピンピンコロリ」で死ねるケースは少ない-1

ここでピンピンコロリという死に方について述べると、このような理想的な死に方はほぼできないと思われたほうがいい。
よく「自宅で死にたい。家族に見守られて畳の上で死にたい」と言う人がいるが、これは現代においてはかなわないと思われたほうがいい。まして、病気に苦しむことなく元気で長生きし、ある日、コロリと死ぬピンピンコロリはもっとかなわないと思ったほうがいい。最近では寝たきりで死んでいく「ネンコロリ」という言葉があるが、これのほうがよほど現実的だ。
読者のみなさんにお訊きしたいが、周囲を見回してピンピンコロリで死なれた方がいるだろうか? たとえば、ある日、突然倒れてそのまま搬送された病院であっさり息を引き取る。それまで普通に暮らしていて、ある朝家族が死んでいるのを発見した。こういう例をご存知だろうか? もちろん、こういう例はあるにはあるが、実際は少ないのだ。
私の父は動脈瘤破裂を起こしてほぼ突然死だったので、ピンピンコロリと言えるかもしれないが、ほかの親族はガンで、入院治療後、病院で死んでいる。いずれもピンピンコロリではない。
現在、日本人の死因の第一位はガンである。主な死因別死亡数の割合だが、悪性新生物(ガン)が28・7%となっている。つまり、10人のうち約3人がガンで死んでいる。第2位は心疾患で約1・5人、第3位は肺炎で約1人、第4位は脳血管疾患で約1人(平成23年厚生労働省統計)となっている。ちなみに、第5位は不慮の事故である。