「国と医療側は「3段階での死」を考えている-2

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「国と医療側は「3段階での死」を考えている-2

 この第2段階は、前記したように2006年の医療制度の改正で出来たわけだ。この年から、介護保険では介護医療病床を廃止し、医療病床と一般病床のみになった。また、一般病床での人員基準や在院日数などが厳しくなった。
この一般病床と医療病床について、「一般病床と医療病床とどう違うのですか?」と、私はいまもよく聞かれる。そこで、そういうときは次のように説明している。
「一般病床で扱うのは急患で徹底した治療が必要な患者さんです。この治療が終わると、症状は慢性期に入ります。これは、治療が困難な状態が長時間にわたって持続するということで、平たくいうと、”寝たきり”ということです。ですから、寝たきりが続くと、患者さんは一般病床から追い出され、療養病床に移されるのです」
こうして、死の第二段階といえる医療病床への転院で、多くの人が初めて死を間近に意識するようになる。これは本人も家族も同じだ。